吉野山4
生ものが駄目な私も、ちょっと、気になる「柿の葉すし」。
食べてみようかなぁ〜と、鮭と鯛一個ずつ買い求めてみる。
柿の葉で一口サイズにくるまれた押し寿司・・おもむろに柿の葉を広げて、一口食べてみる。
酢めしの冷たさと鮭の少ししょっぱい感じが、いっせいに口の中で紛争し始めた。
小腹もすいているので、「なかなかいけるねー」とはしゃぐ相方に、「うん」と、片方の頬で愛想笑いをする。
生ものの独特の食感が、まとわりついているが、味わいは悪くない。生きていたら、もう二、三回は食べてもかまわないかなぁーーという感じ。
正直に感想を話したら、きっと間違いなく、「美味しいの?どっちやねん?」と突っこまれるところだった。
もちろん、言いませんでしたとも。ええ。ええ。もちろん。
その後、下山すると民家に近いほど、さまざまな桜に出会う。
ふっくらと手毬のように枝に実る桜。
砂糖漬けにしたみたいに甘ったるい桃色の桜。
白いちいさな花びらの山桜。
それぞれの桜が、この季節を惜しむように咲き誇っている。
長い間、此処で春を待ち、数日で散り急ぐ桜。
その潔さに、そのはかなさに、永遠を見る思いである。
桜が来年も、見れますように・・一年生きて春を待つ・・そういう印象が強いのもうなずける。
桜の散り際のよさが、日本人の感性に響くところがあるのかも。
また、いつの日か、此処へもどって来ようと心に誓いながら、今年は早速、スニーカーを買った。
だから、登山もOK。後は春を待つばかり。